オンライン相談って、何?(4) – ツールの種類と特徴 –

オンライン相談って、何?(4) – ツールの種類と特徴 –

これまでのコラムで、悩み相談全般に関する基本的な情報と、対面と非対面(オンライン)による相談の違いについて解説してきました。オンライン相談は現在急速に普及していますが、一口に“オンライン”といっても、様々な種類があります。そこで、今回はオンライン相談を使用するツールという観点から解説していきたいと思います。

目次

  1. 「非対面だがオンラインではない」ツールによる相談
  2. メールによる相談
  3. チャットによる相談
  4. インターネット電話による相談
  5. まとめ

【1】「非対面だがオンラインではない」ツールによる相談

 オンライン相談やオンライン・カウンセリングという言葉が広まり始めたのはごく最近のことですが、“直接対面をせずに相談する”という意味で、非対面相談というものは昔から存在していました。現在はほとんど実施されることがない、手紙やFAXによる相談というものも、かつては行われていました。手紙に関して言えば、往復書簡という形式で精神分析の創始者であるフロイトが実施していたことでも知られています。手紙やFAXも非対面ではあるものの、厳密にはオンライン(インターネット)ではないツールになりますが、より利便性の高いメールやLINEなどが活用できるようになったことで、相談以外の一般的な利用自体も減ってきています。
非対面ではありますが、厳密にはオンライン(インターネット)ではないツールとして、現在も活用されているのが電話による相談です。電話相談は直接専門家と相談者が顔を合わせることがないので、音声のみによるコミュニケーションとなり、相手の表情や視線の動きなどの重要な情報は伝わりません。しかし、メールのように文字だけのツールに比べれば、声のトーンなどの情報が活用できるというメリットがあります。ただし、電話料金が発生してしまうケースもあるので、相談料以外にもお金が発生してしまうこともあります(※無料電話ツールを使うこともできます)。電話による相談も、直接対面による相談とは異なる特徴があるため、電話相談独自の知識や技術が必要になります。ただし、そのような知識・技術を習得している専門家の数は少ないのが現状です。電話相談自体は今後も消滅することなく存続し続けるものではありますが、主流のアプローチではなくなりつつあります。

【2】チャットによる相談

 LINEなどのチャット・ツールは、メールよりも便利であるため、広く普及しています。中高生などに至っては、既に電話やメールを使うことがほとんどなく、LINEがコミュニケーションの主流になっているという調査結果も出ています。従って、「相談ダイヤル」を開設しても10代には「ダイヤル」という言葉の意味が分からないため、利用者が非常に少ないという問題も起きています。使い慣れていない電話やメールで、初対面の専門家に悩みを打ち明けるのは非常にハードルが高いですが、いつも使っているLINEなら相談のハードルも下がり、コミュニケーションも円滑に進みます。LINEのメリットは、その即時性の高さであり、ほぼ電話と同じレベルです。メールの場合、文章作成・送信・受信・開封という順序を経て、内容確認と返信ができますが、LINEはこの一連の流れが瞬時に行われます。「既読」も明示されるので、文字だけでスピーディーなやり取りができます。また、LINEもメールと同様に相談者が悩みや考えを文章化することによる「頭の整理整頓」の効果、それに伴うストレス軽減・メンタルケアの効果があるのも重要なメリットです。
 チャット・ツールのデメリットは、メリットでもある即時性が高すぎるという部分にあります。日常生活でも「既読」がついたのに返信がないと、相手にネガティブな感情を抱くことがあるかと思います。悩み相談でも同様で、せっかくLINEで相談しているにもかかわらず、コミュニケーションがスムーズに進まないとイライラがつのってしまいます。相談を受ける専門家側も、スピーディーな展開が予想されるにもかかわらず、文字情報しか手掛かりがないという点で、非常に高いレベルが求められるのが、チャットによる相談支援なのです。
 実際に行われた大規模なオンライン相談に関する社会実験において、専門家によるLINE相談は、1回を2時間程度に設定するのが適切であるという見解も出されています。これは、顔を合わせず短い文章を連続して展開させていくLINEでは、相談者も専門家もすぐに本題である「悩みの解決」に向かわずに、「探り」の段階が必要になるからです。相談する側も、友達とLINEをしている時と同じ感覚でツールを利用すると、どうしても違和感・食い違いが生じてしまうので、オンライン相談を利用する「心構え」というものが、ある程度は必要になってきます。

【3】インターネット電話による相談

 いわゆる、skypeやzoomなどのテレビ電話のツールを活用した相談サービスも展開されています。これらは、オンラインであり、相談者はどこかに足を運ぶ必要はありませんが、画面を通じて専門家と顔を合わせることができます。専門家側からしても、鮮明な映像ではなく、多少のタイムラグがあるものの、相談者の表情や視線の動きなどの情報が得られるのは大きなメリットです。また、基本的には無料で利用できるのも大きなメリットであるといえるでしょう。
 デメリットとしては、メールやLINEと比べると、多少、設定や利用方法が複雑なので、最初は使いづらさを感じたり、混乱してしまったりすることがあります。また、アプリケーションやネットワークに不具合が発生するケースがあるという問題もあります。しかも、その原因が相談者側のPCやスマホの問題なのか、オンライン相談サービスのシステム上の問題なのか、はたまたツールそのものの障害なのかが、すぐには分からないということもあります。そうなると、悩み相談を円滑に進められずに時間だけが経過してしまうことになります。このような問題が発生した際に“責任の所在”が曖昧になってしまうのが現状です。skypeやzoomなどのサービスを展開している企業は「便利なコミュニケーション・ツール」としての活用を想定してはいるものの、「有料の悩み相談」のために活用することは想定の範囲外なのです。そのため、ツールに不具合が発生し、悩み相談がスムーズに進まなかったとしても、金銭的な補償などに関するガイドラインは、オンライン相談サービスを展開する企業側の裁量に依存することになります。そのため、サービスによっては、そういったガイドラインが不明確で、不測の事態があっても対応してもらえないこともあります。

【4】メールによる相談

 メールカウンセリングというものが普及してきており、特に企業内メンタルへルスの観点から、自社従業員のストレス対策に活用事例が増えています。メールは文字のみのコミュニケーションなので、直接対面する形式の相談に比べると、圧倒的に得られる情報に制限があります。また、ツールとして時間の使い方にも特徴があります。たとえば、直接対面や電話の場合、相手が30秒も黙っていたら、「どうしたのだろう?」と感じると思います。専門家も相談者もどちらも発話をしていなくても、時間は経過していきますので、あまり話ができないまま既定の時間になってしまうということも起こり得ます。しかし、メールの場合は、返信までにある程度のタイムラグがあっても、それ自体は問題になりません。わざわざ、メールの文章内に「そうですね、・・・・・。」などと書いたりする必要もないので、沈黙という概念がないわけです。さらに、相談者が深夜2時にメールを送ることもできますし、専門家が返信を2日後の朝7時にすることもできるので、時間的な制約があまりありません。さらに、メールによる相談では悩みや考え、自分の置かれている状況を文章化する必要があります。その過程で、相談者は自分自身の頭の中を整理整頓することができます。頭の整理整頓自体に、ストレス軽減・メンタルケアの効果があることは科学的な研究の結果として判明しており、セルフケア的な要素も相まって、効果的な方法であるといえます。
 メール相談のデメリットとしては、いくらでも長い文章を作成することができてしまうものの、相手に分かり易く文章をまとめようとすると、それなりに時間がかかってしまうという点が挙げられます。直接対面や電話の場合は、沈黙にも何らかの“意味”があり、専門家にとってはそれも分析すべき重要な情報の1つとなります。しかし、メールの場合、相談内容の文章が「どれくらいの時間をかけて書かれたものなのか?」ということが分かりません。悩みがあるものの、まだ頭の中が整理整頓できていない人も多く、その場合、メールの文章自体は短くても、長時間かけて作られている可能性があります。ですが、専門家は「メールが書かれていく過程」を知ることができず、「完成された文章」だけを見て判断することになり、誤解や食い違いが生じやすくなります。また、普段のメールでのやり取り同様、メール相談もすぐに返信があるとは限りません。そのため、相談者がメールを送った時に悩んでいたことや抱いていた感情が、専門家から返信が来る頃には別のものに変わってしまっている可能性もあり、即時性の低いツールであるといえます。

【5】まとめ

 今回はオンライン相談について、ツールごとの特徴について解説してきました。どのツールにも共通するのは、通信の手段ではあるものの、最初から「相談支援のために開発されたツール」というものは1つも存在しないということです。従って、電話もメールもLINEもただツールとして使いこなせるだけではダメで、「悩み相談のツールとして使いこなす」という能力が専門家側に求められるのです。また、相談をする側も、いつも使っている感覚で悩み相談にツールを使ってしまうと、違和感やズレが生じてしまいます。ホッとライフでは、オンライン相談のために各種ツールの特徴を把握した上で、それらを上手く使いこなすことができる専門家が揃っています。また、悩みを相談したいと思っている方々に、ツールの使い方を分かり易くお伝えするとともに、「オンライン相談独特の事情」も合わせて丁寧に説明させていただいていますので、安心してご利用いただけるかと思います。ご興味・ご関心のある方は、是非、ホッとライフをご利用いただければと思います。ホッとライフでは、悩みの種類に応じて、相談者が専門家を選ぶことができますので、あなたの悩みにマッチした専門家を探してみてはいかがでしょうか。

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